鳥の声をBGMにする朝が来る。 The morning comes when the birds' voices are the background music.
さまざまな鳥たちが恋の相手を求めてさえずる様子は
春の躍動そのものだと思う。
近頃はウグイス以外の声も聞き分けられるようになってきた。
歌声がこだまする朝は、リビングの窓を開けて過ごす。
わが家に春を招き入れ、心踊る一日が始まる。
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桜前線が、いつもの散歩道。 The cherry blossom front is the usual walking path.
疏水沿いの小径は、知る人ぞ知る桜の名所。
咲きはじめを喜び、満開にときめき、葉桜に情を寄せ、
花びらがせせらぎに流れる花筏をも愛でる。
日々移ろいゆく景色を散歩がてらに楽しめるのは、
ここに住む人だけの特権だ。
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蛍が棲むまちに住むということ。 To live in a town where fireflies dwell.
まるで息をするかのように、儚い灯が消えては浮かぶ。
住宅街の中を流れる安祥寺川に蛍が舞うことを、
地元の人々は誇りに思っていることだろう。
きれいな水を守る、きれいな心がある場所でしか
蛍は生きられないのだから。
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京都の夏は、水上が特等席。 In summer in Kyoto, the water is a special place.
明治時代、琵琶湖の水を京都へ引き込むために造られた疏水。
昭和になってから途絶えていた舟運が、
疏水船クルーズとして復活している。
深い緑陰、水面を渡る風、トンネル内の冷んやりとした空気。
うだる市中を忘れさせる、極上の避暑がここにある。
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秋はバルコニーから聴こえる。 Autumn is audible from the balcony.
お盆を過ぎて、夜風に涼を感じ始めるちょうどその頃、
自然界から贈り物が届けられる。
エアコンを止め、照明も落とし、バルコニーへ出てみよう。
俳句の世界で「月鈴子」と呼ばれるように、
鈴虫の音が、月から降りてきたかのような美しさで聴こえる。
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紅葉の絨毯に導かれて名刹へ。 A carpet of autumn leaves leads you to a famous temple.
京都が観光シーズンを迎える秋も、このあたりは穏やか。
住まいのすぐ北側には、平安時代からの古刹・安祥寺。
さらに山手には、皇族ゆかりの毘沙門堂がひっそりと佇む。
参道の石段に敷き積もるかのような紅葉が、
暮らしの中にさりげなく歴史絵巻を感じさせてくれる。
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